2024年3月、レディーミクストコンクリート(生コンクリート)に関する規格「JIS A 5308」が改正されました。 規格や示方書の「最新の改定内容」は、コンクリート技士・主任技士試験において非常に狙われやすい頻出ポイントです。
今回の改正は、主に以下の4つの目的をもって実施されています。
- 国際規格との整合化
- 環境負荷の低減
- 検査方法の合理化・省力化
- 生産性の向上
本記事では、日本コンクリート工学会の研修テキスト(’24)をもとに、実務や試験対策として絶対に押さえておくべき「13の主な改正内容」を分かりやすく解説します。
主な改正内容 13のポイント
1. 国際規格との整合化
ISO 22965-1、22965-2などが対応国際規格として位置づけられました。
2. 用語の見直し
- 「戻りコンクリート」が新たに定義されました。
- 「上澄水」は「上澄み水(うわずみすい)」に表記が変更されました。
💡 管理人の試験対策ワンポイント
試験では「戻りコンクリート(現場で荷卸しされずに工場へ持ち帰った未硬化のコンクリート)」と「回収コンクリート(運搬車などの洗浄水から骨材を分離して回収したコンクリート)」の違いを問う問題が予想されます。定義をしっかり区別しておきましょう!
3. デジタル化の推進
配合計画書や納入書などの提出は、紙媒体に限らず電磁的記録(デジタルデータ)でも可となりました。ただし、電磁的記録の場合は、紙と同様の様式を使用する必要があります。
4. 環境負荷低減の取り組み
024年改正では、環境負荷低減(副産物の活用・CO2低減)を狙い、使用可能な材料の選択肢が拡充されました。
主に追加・明確化されたポイントは次のとおりです。
・石炭ガス化スラグ骨材(JIS A 5011-5)
・火山ガラス微粉末(JIS A 6209)
・収縮低減剤(JIS A 6211)[3](https://bonperson-civil.com/cement-shurui/)
※要注意(ひっかけポイント)
石炭ガス化スラグ細骨材(および銅スラグ細骨材)を、同一種類または異種類の骨材と混合して使用する場合、
「混合する骨材」は ASR反応性区分の表(JA.1)で規定する“区分A”を用いる、という条件が明記されています。
(※この“区分A”は「収縮低減剤」ではなく、骨材の混合使用に関する条件です。)
以下の材料が新たにJIS化され、環境に配慮した材料の選択肢が広がりました。
- 石炭ガス化スラグ骨材(JIS A 5011-5)
- 火山ガラス微粉末(JIS A 6209)
- 収縮低減剤(JIS A 6211) ※石炭ガス化スラグ骨材と混合する骨材は、ASR(アルカリシリカ反応)反応性区分「区分A」に限定されます。
5. 計量方法の柔軟化(累加計量の許容)
2024年改正では、環境負荷低減や合理化の観点から、購入者と生産者の協議(購入者指定)を前提に、一部の材料について「累加計量」を認める規定が追加されました。
購入者が生産者と協議の上、購入者の指定に基づき、次の組合せで累加して計量してもよい(条件付き)。
・セメント + 1種類または2種類の異なる混和材
・(最大)3種類までの異なる混和材
・普通ポルトランドセメント + 高炉セメントB種(この場合の記号:BA+)
【累加計量の条件(ここが試験で狙われやすい)】
・個々の材料の計量値をそれぞれ記録し、計量印字記録から自動算出した単位量を納入書へ示す場合に限る。
【BA+(普通ポルトランド+高炉B)の追加条件】
・累加した後の高炉スラグの分量が、JIS R 5211(高炉セメント)表1に規定する「高炉セメントA種」の上限を超えないものに限る。
(補足)
上の“条件文”を覚えておくと、過去問ベースのひっかけ(条件を落とした選択肢)に強くなります。
6. 積み込み時の注意点
戻りコンクリートや洗浄水が残っている運搬車に、新しいコンクリートを積み込むことは明確に禁止されました。
7. 試料採取方法の見直し(※試験要注意!)
- ドラムの高速回転は、騒音防止の観点から生産者が判断可能になりました。
- 試料採取前に取り除く量が、従来の「50~100L」から「20~50L」に低減されました。
💡 管理人の試験対策ワンポイント
ここは超・要注意トラップです!試験問題は数値をいじるのが定番なので、「試料採取前に50~100Lを廃棄した」という過去問通りの選択肢が出たら、最新基準では「×(誤り)」になります。
8. 高強度コンクリートの検査頻度
検査頻度は「150m³に1回」が標準となりました。
9. スランプ区分の変更(※試験要注意!)
- 2019年改正:軽量・高強度コンクリートのスランプ10cmが廃止。
- 2024年改正:普通コンクリートのスランプ10cmも廃止。
💡 管理人の試験対策ワンポイント
ここも引っかけ問題の標的です!「普通コンクリートのスランプには10cmが規定されている」といった選択肢が出題される確率が非常に高いので、騙されないようにしましょう。
10. 貯蔵設備の容量
細骨材の表面水率を測定し、補正している場合は、貯蔵設備の容量に制限がなくなりました。
11. 舗装コンクリートの強度試験
曲げ強度または圧縮強度の「いずれか」で試験可能になりました(※生産者と購入者の協議事項)。
12. 回収骨材の使用
A法(置換率5%以下)の場合、混合骨材の計量補正は不要になりました。
13. スラグ骨材の納入方法
電気炉酸化スラグ骨材は、JISマーク認定品であれば直接納入に限定されなくなりました。 ※溶融スラグ骨材の使用は、引き続き認められていません。
関連情報
経済産業省のホームページでは、JIS改正に関するニュースリリースやJIS A 5308の関係資料が公開されています。詳細を確認したい方は、ぜひそちらもぜひご覧ください。

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