【Ⅲ-B1】暑中コンクリートとWBGT義務化:現場管理者が知るべき熱中症対策

B 気象・環境への実務対応(イレギュラーを乗り切る)

はじめに

夏季のコンクリート打設は、気温・湿度・日射の影響を強く受けるため、作業員の身体的負担が大きくなります。特に「暑中コンクリート」と呼ばれる高温環境下での施工では、品質管理だけでなく、作業員の安全管理が重要な課題となります。

■2025年のWBGT活用義務化から1年、改めて対策の徹底を

2025年6月1日より、労働安全衛生規則の改正が施行され、WBGT(暑さ指数)を活用した熱中症対策が事業者に義務付けられてから1年が経過しました。 ※1)

対象となるのは、「WBGT値が28℃以上、または気温が31℃以上の環境」の環境において、「1時間以上の連続作業、または1日4時間以上の累計作業」が見込まれる現場です。

この条件下では、事業者に対して特に以下の対応が法的に義務付けられます。

  1. 早期発見・報告のための体制整備(連絡先や担当者の明確化)
  2. 重篤化防止のための手順書作成(応急処置や緊急搬送のルール化)
  3. 上記の体制および手順の作業員への周知

また、これらに加えて従来通り「WBGT基準値を超える場合の作業中断・休憩確保・冷却設備の設置」や「作業員の健康状態の確認と教育」も極めて重要です。義務に違反して対策を怠った場合は、労働安全衛生法に基づき罰則(最大で6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)が科される可能性もあります。※2)

■現場での実践例

暑中コンクリート打設時には、現場レベルで以下のような対策を並行して行うことが有効です。

  • 打設時間を気温の低い早朝や夕方にシフトする
  • 休憩所にミストファン、エアコン、冷却シートを設置する
  • 作業員へスポーツドリンクや塩分補給タブレットを配布・摂取促進する
  • 現場にWBGT測定器を導入し、リアルタイムで環境を監視・アラート発信を行う

■まとめ

品質と安全は両輪です。今回の法改正による義務化は、現場の安全管理レベルを一段と高める契機となります。現場管理者として、法令遵守はもちろんのこと、作業員の命を守るという強い意識を持って取り組むことが、結果として信頼される確実な施工へとつながります。

※コンクリート自体の品質管理については、本ブログ「13-2暑中コンクリート」「13-7 35℃を超える暑中コンクリート」をご覧ください。

 出典 

※1)[Weather X | 日本気象協会](https://weather-jwa.jp/news/topics/post5798) 
※2)[ワーカーズドクターズ | 熱中症対策の義務化](https://www.workersdoctors.co.jp/column/knowledge/necchusho/)

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