【Ⅲ-A2】コンクリートのジャンカ(豆板)はどこまで許容される?

A 品質・外観のジャッジ & 欠陥リカバリー

程度別の判定基準と正しい補修方法

型枠を外した瞬間に現れるジャンカ(豆板)。
「これは表面を少し塗るだけでいいのか?」「はつり直すべきか?」と、現場で判断に迷った経験は多いはずです。

ジャンカは施工時に生じる初期欠陥であり、発見後の対応を誤ると、将来的な耐久性低下や鉄筋腐食につながります。
本記事では、ジャンカの許容範囲(程度・グレード)の考え方と、コンクリート(主任)技士・診断士の視点に基づく正しい補修方法を、現場目線でわかりやすく解説します。


1. はじめに:ジャンカ(豆板)とは何か?なぜ起きる?

ジャンカの定義

ジャンカ(豆板)とは、
セメントペースト(モルタル分)が十分に回らず、粗骨材が露出し、空隙が多くなったコンクリートの欠陥をいう。
材料分離・締固め不良の典型例であり、施工時に発生する初期欠陥
である。


主な発生原因(頻出ポイント)

ジャンカの原因は、以下の3つに集約できる。

  1. 締固め(バイブレータ)の不足・不適切な使用
    • 挿入間隔が広すぎる
    • 挿入時間が短い
    • 鉄筋周りに十分に振動が伝わっていない
  2. 打設時の落下高さが大きすぎる
    • 高所からの落下により材料分離が発生
    • 粗骨材が先行して堆積
  3. 型枠の隙間・不良
    • ペーストが漏れ、モルタル不足となる

※試験では「振動のかけ過ぎ」はジャンカではなく材料分離として整理される点に注意。


2. 【重要】ジャンカの「程度(グレード)」と許容範囲の判断基準

ここが現場でも試験でも最も重要なポイントです。
ジャンカは一律にNGではなく、程度によって判断します。


① 軽微なジャンカ(表面のみ)

状態

  • 表面に砂利が見える程度
  • 叩いてもポロポロ崩れない
  • 鉄筋は露出していない
  • 空隙は浅く、局部的

許容・判断

  • 構造耐力への影響は小さい
  • ただし、かぶり不足・耐久性低下防止のため補修は必要
  • 「放置してよい」わけではない

👉 表面欠陥として補修対応


② 中程度のジャンカ(やや深い)

状態

  • 指やハンマーで叩くと粗骨材が崩れ落ちる
  • 表面下に空隙が広がっている
  • 鉄筋の裏側まで空隙が達している可能性あり

許容・判断

  • 放置は不可
  • 見えている部分だけの補修はNG
  • 不良部を完全に除去(はつり)する必要あり

👉 断面修復が前提


③ 重度のジャンカ(鉄筋露出・貫通)

状態

  • 鉄筋が完全に露出している
  • コンクリート断面が裏側まで貫通
  • 広範囲・連続的に発生

許容・判断

  • 原則として許容されない
  • 構造耐力・耐久性に重大な影響
  • 大規模補修、場合によっては打ち直し(撤去・再施工)を検討

👉 診断士試験では
耐久性上、重大な初期欠陥」として評価されるレベル。


3. 程度別・ジャンカの正しい補修方法

軽微なジャンカの補修方法

  • 表面清掃(レイタンス・脆弱部除去)
  • ポリマーセメントモルタルの刷り込み
  • 表面仕上げ・養生

👉 目的は
表層の密実化+耐久性の回復


中程度〜重度ジャンカの補修方法(基本手順)

  1. 不良部分の完全なはつり(チッピング)
    • 健全部まで確実に除去
    • 「見えている部分だけ」はNG
  2. 水洗い・清掃
    • 付着不良防止
    • 粉塵・脆弱部の除去
  3. プライマー(接着材)塗布
  4. 断面修復材の充填
    • 無収縮モルタル
    • ポリマーセメントモルタル
    • 必要に応じて型枠を組み再打設
    • 鉄筋露出時は防錆処理を併用

👉 補修の目的は「見た目」ではなく「性能回復」


4. コンクリート技士・診断士試験ではこう問われる!

技士試験でのポイント

  • バイブレータの適正な挿入間隔・挿入時間
  • ジャンカの原因は締固め不足
  • 「振動過剰」はジャンカではない(ひっかけ)

診断士試験での評価視点

  • ジャンカは施工時に生じる初期欠陥
  • 鉄筋露出=耐久性上、重大な問題
  • 表面欠陥でもかぶり不足・中性化促進を考慮

👉
「鉄筋露出の有無」
「耐久性への影響」
この2点を押さえて記述できるかが合否を分ける。


5. まとめ

  • ジャンカは発見後の初期対応が命
  • 判断基準は
    深さ・範囲・鉄筋露出の有無
  • 迷ったら
    放置せず、不良部を確実に除去する
  • 「軽微でも補修」「鉄筋露出は原則NG」

現場でも試験でも共通する考え方は、
見た目ではなく、構造性能と耐久性で判断することです。


関連記事

・【診断士-01】初期欠陥と施工不良を見極めよ!コールドジョイント・ジャンカ・沈みひび割れの完全攻略

・診断士ドリル-01 初期欠陥の仕分け

・診断士ドリル-09A ひび割れ診断の基礎[共通・原因推定編]

・診断士ドリル-09B ひび割れ診断[受験答案・演習編]

【第Ⅰ部】12-2 コンクリートの施工 打込み・締固め・仕上げ

診断士ドリル-17A ひび割れ補修(注入/充填/目地化/誘発目地)の選定[共通]


コメント