程度別の判定基準と正しい補修方法
型枠を外した瞬間に現れるジャンカ(豆板)。
「これは表面を少し塗るだけでいいのか?」「はつり直すべきか?」と、現場で判断に迷った経験は多いはずです。
ジャンカは施工時に生じる初期欠陥であり、発見後の対応を誤ると、将来的な耐久性低下や鉄筋腐食につながります。
本記事では、ジャンカの許容範囲(程度・グレード)の考え方と、コンクリート(主任)技士・診断士の視点に基づく正しい補修方法を、現場目線でわかりやすく解説します。
1. はじめに:ジャンカ(豆板)とは何か?なぜ起きる?
ジャンカの定義
ジャンカ(豆板)とは、
セメントペースト(モルタル分)が十分に回らず、粗骨材が露出し、空隙が多くなったコンクリートの欠陥をいう。
材料分離・締固め不良の典型例であり、施工時に発生する初期欠陥である。
主な発生原因(頻出ポイント)
ジャンカの原因は、以下の3つに集約できる。
- 締固め(バイブレータ)の不足・不適切な使用
- 挿入間隔が広すぎる
- 挿入時間が短い
- 鉄筋周りに十分に振動が伝わっていない
- 打設時の落下高さが大きすぎる
- 高所からの落下により材料分離が発生
- 粗骨材が先行して堆積
- 型枠の隙間・不良
- ペーストが漏れ、モルタル不足となる
※試験では「振動のかけ過ぎ」はジャンカではなく材料分離として整理される点に注意。
2. 【重要】ジャンカの「程度(グレード)」と許容範囲の判断基準
ここが現場でも試験でも最も重要なポイントです。
ジャンカは一律にNGではなく、程度によって判断します。
① 軽微なジャンカ(表面のみ)
状態
- 表面に砂利が見える程度
- 叩いてもポロポロ崩れない
- 鉄筋は露出していない
- 空隙は浅く、局部的
許容・判断
- 構造耐力への影響は小さい
- ただし、かぶり不足・耐久性低下防止のため補修は必要
- 「放置してよい」わけではない
👉 表面欠陥として補修対応
② 中程度のジャンカ(やや深い)
状態
- 指やハンマーで叩くと粗骨材が崩れ落ちる
- 表面下に空隙が広がっている
- 鉄筋の裏側まで空隙が達している可能性あり
許容・判断
- 放置は不可
- 見えている部分だけの補修はNG
- 不良部を完全に除去(はつり)する必要あり
👉 断面修復が前提
③ 重度のジャンカ(鉄筋露出・貫通)
状態
- 鉄筋が完全に露出している
- コンクリート断面が裏側まで貫通
- 広範囲・連続的に発生
許容・判断
- 原則として許容されない
- 構造耐力・耐久性に重大な影響
- 大規模補修、場合によっては打ち直し(撤去・再施工)を検討
👉 診断士試験では
「耐久性上、重大な初期欠陥」として評価されるレベル。
3. 程度別・ジャンカの正しい補修方法
軽微なジャンカの補修方法
- 表面清掃(レイタンス・脆弱部除去)
- ポリマーセメントモルタルの刷り込み
- 表面仕上げ・養生
👉 目的は
表層の密実化+耐久性の回復
中程度〜重度ジャンカの補修方法(基本手順)
- 不良部分の完全なはつり(チッピング)
- 健全部まで確実に除去
- 「見えている部分だけ」はNG
- 水洗い・清掃
- 付着不良防止
- 粉塵・脆弱部の除去
- プライマー(接着材)塗布
- 断面修復材の充填
- 無収縮モルタル
- ポリマーセメントモルタル
- 必要に応じて型枠を組み再打設
- 鉄筋露出時は防錆処理を併用
👉 補修の目的は「見た目」ではなく「性能回復」
4. コンクリート技士・診断士試験ではこう問われる!
技士試験でのポイント
- バイブレータの適正な挿入間隔・挿入時間
- ジャンカの原因は締固め不足
- 「振動過剰」はジャンカではない(ひっかけ)
診断士試験での評価視点
- ジャンカは施工時に生じる初期欠陥
- 鉄筋露出=耐久性上、重大な問題
- 表面欠陥でもかぶり不足・中性化促進を考慮
👉
「鉄筋露出の有無」
「耐久性への影響」
この2点を押さえて記述できるかが合否を分ける。
5. まとめ
- ジャンカは発見後の初期対応が命
- 判断基準は
深さ・範囲・鉄筋露出の有無 - 迷ったら
放置せず、不良部を確実に除去する - 「軽微でも補修」「鉄筋露出は原則NG」
現場でも試験でも共通する考え方は、
見た目ではなく、構造性能と耐久性で判断することです。
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