【第Ⅰ部】コンクリート技士・主任技士
混和材料 (混和剤と混和材)
混和材料とは、水・セメント・骨材以外で、コンクリート、モルタル、またはセメントペーストに必要に応じて添加される材料です。主にコンクリートの品質向上や、特定の性能を付与する目的で使用されます。
分類
- 混和剤:使用量が少なく、配合設計時に体積を無視できる。
- 混和材:使用量が多く、配合設計時に体積を考慮する必要がある。
混和剤(JIS A 6204)
混和剤は、コンクリートのワーカビリティー、水密性、耐久性などを経済的に改善するために使用されます。JIS A 6204では7種類の混和剤が規定されており、以下のような分類があります。
- 形態による分類:標準形、遅延形、促進形
- 塩化物イオン量による分類:Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種
主な混和剤の種類と特徴
主な混和剤(JIS A 6204:化学混和剤)
・AE剤:微細空気泡を連行 → ワーカビリティー・耐凍害性↑
・減水剤:セメント粒子を分散 → 単位水量↓
・AE減水剤:AE+減水
・高性能減水剤:減水効果大(高強度など)
・高性能AE減水剤:高減水+スランプ保持
・流動化剤:後添加で流動性↑
・硬化促進剤:初期強度↑(促進形と混同しない)
その他(用途別/関連規格)
・防錆剤(防せい剤):JIS A 6205(鋼材腐食抑制)
・気泡剤/発泡剤:軽量化・充填性向上など(AE剤と混同しない)
・付着モルタル安定剤:ドラム内モルタルの再利用など(規格はJIS A 5308側の枠で扱われることが多い)
・耐寒促進剤:寒冷期の初期凍害対策(運用上は促進形との関係で整理)
化学混和剤の性能規定(JIS A 6204:2011)

スマホの場合、ピンチアウトで、図表を拡大することが出来ます。

JIS A 6204:2011

上の表を見てください。項目上端に7種類の混和剤が示されていますが、そのうちの4種類については、「標準形」「遅延形」「促進形」の3種類があります。なんで・・・?(調べましょう。)
次に左端縦の欄に「減水率」「ブリーディング量の比」「ブリーディング量の差」「凝結時間の差分」「圧縮強度比」「長さ変化比」「凝結融解に対するの比」「経時変化量」が示されています。各数値はさておき、混和剤の種類によって規格値があるものないものがあります。なぜだ・・・?(調べましょう。)
私の場合、表を暗記するのは不可能なので、どこまでの知識が必要なのか、主任技士の過去問を通じて各混和剤の機能を理解していった次第です。

混和剤には、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種の3つの区分があります。
この分類は、混和剤に含まれる塩化物イオン量に基づいています。
JIS A 6204:2011
AE剤(Air Entraining Agent:空気連行剤)
- AE剤は,コンクリート中に多くの微細な空気泡(エントレインドエア)を一様に連行し,ワーカビリティーと耐凍害性の向上を図るために用いる.
- ワーカビリティーが向上すると,目的のコンシステンシー(スランプ)を得るための単位水量が少なくてすむ.(単位水量が少ないことは,ブリーディングの減少により耐久性の向上に繋がるともいえる.)
- 強度への影響 一般に空気量が1%増加するとσ28で,同一セメント量のとき4~6%強度が低下する
がAE剤を用いることにより(単位水量を低減する効果から)σ28の強度低下が2~3%の低下に改善される. - コンクリート中に適当な量の空気泡が連行されると,凍結融解の繰り返しによる作用に対する抵抗性(耐凍害性)が向上する.
- セメントの粉末度(比表面積)が大きくなるほど,空気連行能力は,減少する.
- 細骨材量が増すほど,空気量も増加する.細骨材のうち0.15~0.6mmの部分が多いと空気泡は連行されやすく,0.15mm以下の部分が多いと連行されにくい.
■AE剤 規定されている性能
減水率 凝結時間の差分、圧縮強度比、長さ変化比、凍結融解に対する抵抗性
減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤
1.減水剤
セメント粒子の分散作用により,所要のコンシステンシーを得るのに必要な単位水量,単位セメント量を減少することができる.
■減水剤 規定されている性能
減水率 凝結時間の差分、圧縮強度比、長さ変化比、凍結融解に対する抵抗性
2.AE減水剤
セメントの分散作用と空気連行作用を併用する混和剤である.
3.高性能減水剤
使用量を増加することにより,減水効果が向上する.使用量を増加させても,過剰な空気連行性や異常な凝結の遅延なども少ないことから,高強度コンクリートの製造が比較的容易になる.
4.高性能AE減水剤
高い減水作用と,優れたスランプの保持機能を有する混和剤である.(AE減水剤よりも減水率が大きく高性能減水剤と同様に減水性や流動性が大きくなる.)
流動化剤
ベースコンクリートに後から添加すると,セメントペーストの流動性が増大する.
関連項目 流動化コンクリート
凝結・効果時間を調整する混和剤
- 凝結遅延剤
セメントと水との接触を一時的に遮断することにより,初期水和反応を遅らせる. - 凝結促進剤
コンクリートの硬化を促進する混和剤として,コンクリートの初期強度の促進や型枠存置期間の短縮,寒冷地での初期凍害防止として用いられる. - 急結剤
セメントの凝結時間を著しく短くして超早期の強度発現を可能にするものである.
止水・補修などの瞬結性が要求される場合にもちいられる.
泡の作用で充填性を改善したり重量を軽減する混和剤
気泡剤
界面活性作用により,コンクリートやモルタル,セメントペーストの中に気泡を導入する混和剤.
練混ぜ中に気泡させる方式(プレミックス方式)と発泡機などであらかじめ泡を作っておき,これをコンクリートやモルタルなどと混合する方式(プレフォーム方式)があり,軽量コンクリートやモルタルなどを製造する目的に用いられる.
発泡剤
フレッシュコンクリートやフレッシュモルタル中に化学反応によるガスを発生して,気泡を生じさせる混和剤.プレパックドコンクリートの注入モルタル,逆打ちコンクリートの打継部を充填するモルタル,PCグラウド等に用いられることが多く,これらの場合には材料の沈降とブリーディングによる体積減少を確実に補うだけでなく,空間を完全に充填したり,鋼材や粗骨材との付着を良くする目的で使用される.発生ガスの量を増加させることにより単位体積重量の小さい気泡コンクリートの製造にも用いられる.
一般にセメントの水和によって生成した水酸化カルシウムと水素ガスを発生する金属アルミニウム紛体が発泡剤として使用されている.
その他 混和剤
鉄筋コンクリート用防錆剤
コンクリート中の鋼材の腐食を抑制する効果をもたらす混和剤でJIS A6205により規定されている.亜硝酸化合物を主成分とする防錆剤は,鉄イオンと亜硝酸イオンが反応して、鉄筋を保護する被膜を形成することにより,錆の発生を抑制する.
耐寒促進剤
寒冷地で冬季に使用される化学混和剤で,JIS A 6204では,「AE減水剤・促進形」に分類される.亜硝酸化合物や硝酸化合物を主成分とし,初期凍害の防止や初期強度発現の改善を目的に使用される.
付着モルタル安定剤
トラックアジテーターのドラム洗浄時に添加して,付着したモルタルの凝固を遅延させ,安定的なスラリーとして翌日の生コンに混合して有効利用を可能にする化学混和剤である.JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)附属書D「トラックアジテーターのドラム内に付着したモルタルの使用方法」に規定されている.
混和材(主な関連JIS)
・フライアッシュ:JIS A 6201
・高炉スラグ微粉末:JIS A 6206
・シリカフューム:JIS A 6207
・膨張材:JIS A 6202
混和材は、使用量が多く、配合設計時に体積を考慮する必要があります。高性能コンクリートの製造や、産業副産物の有効活用を目的に使用されます。
主な混和材の種類と特徴
・フライアッシュ:ポゾラン反応により緻密化・耐久性向上
・高炉スラグ微粉末:潜在水硬性で長期強度に寄与
・シリカフューム:超微粒子(マイクロフィラー効果)で高強度化
・膨張材:収縮補償/ケミカルプレストレスに使用
混和材(配合設計で容積を無視できないもの)
使用量が多いために配合計算時に体積(容積)を考慮する必要があるものを混和材と呼び、前述の混和剤と区別しています。コンクリートの高性能化や産業副産物の有効活用から様々な混和材が使用されています。
フライアッシュ
フライアッシュ(火力発電所から排出される石炭灰)に含まれる二酸化けい素(SiO₂)がセメントの水和の際生成される水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)と化合して,不溶性で安定なけい酸カルシウムを生成する。(ポゾラン反応)
高炉スラグ微粉末
製鉄所の高炉から排出されたスラグを水で急冷,微粉末化したもので,潜在水硬性を有する.
シリカフューム
二酸化けい素(SiO₂)を主成分とし,比表面積200000㎠/ℊ程度の超微粒子である.マイクロフィラー効果により,高強度なコンクリートが得られる.
膨張材
膨張剤を混入したコンクリートを一般的に膨張コンクリートと呼び,収縮補償コンクリートとケミカルプレストレスコンクリートに分類される.
試験対策のポイント
- 各混和剤の機能と効果を理解する。
- JIS規格に基づく分類や性能要件を把握する。
- AE剤の空気量と強度の関係、減水剤の効果などは頻出テーマ。
- 表を丸暗記するのではなく、過去問を通じて理解を深めるのが効果的。
【クイズの前に(反復用:note単品)】
混和材料は「効果と副作用(空気量・凝結・強度・ブリーディング)」のひっかけが多い分野です。
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解いてみよう

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