14.コンクリート製品

各種コンクリート・構造

プレキャストコンクリート(PCa)部材は、品質管理が整った工場や仮設工場で継続的に製造されるコンクリート製品です。用途や種類は非常に多岐にわたり、JIS A 5361などの規格で標準化されています。

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🧱 材料に関するポイント

工場製品に使用される材料には、通常のコンクリートとは異なるいくつかの細かな条件があります。

  • セメント: 一般的には普通ポルトランドセメントを使用します。早期強度が必要な場合は、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、白色セメントなども用途に応じて使い分けられます。
  • 粗骨材の最大寸法: 40mm以下とし、かつ「製品の最小厚さの2/5以下」「鋼材の最小あきの4/5を超えない」ことが条件です。アルカリ骨材反応対策はJIS A 5308に準じます。
  • 再生骨材: 品質が確認できれば使用可能ですが、プレストレストコンクリート(PC)には使用不可です(乾燥収縮やクリープによるプレストレスの損失が大きいため)。
  • 混和材料: 性能向上のため、化学混和剤や高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、膨張材、着色材などが使用されます。
  • 補強材: 鉄筋コンクリート用棒鋼、PC鋼棒、繊維系補強材などが用いられます。

⚙️ 製造工程のポイント(配合・型枠・成形)

■ 配合の基準

製品の種類や締固め方法などの製造工程に応じて配合は異なりますが、一般的には水セメント比50%以下、スランプ2〜10cm程度の「硬練りコンクリート」が使用されます。

高強度や早期脱型(型枠を早く外すこと)が求められる場合は、セメント量の多い「富配合コンクリート」が選ばれます。

■ 型枠の条件

繰り返し使用可能で、振動・圧力・熱変化に耐え、組立や取外しが容易な構造が求められるため、通常は「鋼製型枠」が使用されます。

■ 成形・締固め方法

用途に合わせて以下の方法が用いられます。

  • 振動締固め: 内部振動機や外部振動機でコンクリートに振動を与えて締固める一般的な方法。
  • 遠心力締固め: 型枠を遠心機で回転させて成形する方法。パイル(杭)やヒューム管などに使用され、遠心力により水が絞り出されるため、高密度・高強度の製品が得られます。
  • 加圧締固め: 振動後に油圧で圧力を加える方法。真空ポンプを併用して余剰水を除去することもあります。

🌡️ 養生方法(促進養生)

工場製品では、型枠の回転率向上や早期出荷を可能にするため、熱を加える「促進養生」が一般的です。

  • 常圧蒸気養生: 65℃まで加温し、湿度を保ちながら強度を早期に発現させる一般的な方法。
  • オートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生): 180℃・10気圧の高温高圧の釜(オートクレーブ)で養生する方法。この環境下で「トバモライト」という極めて安定した水和物が生成され、翌日には28日強度に匹敵する高強度が得られます。主にALC製品や高強度パイルに使用されます。

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出典:コンクリート技士研修テキスト平成22年度版p267

🏷️ 規格と分類(JIS)

コンクリート製品は、様々なJIS規格によって分類・管理されています。

▼ 基本規格と構造別製品群規格

規格番号内容
JIS A 5361基本規格:製品の種類・呼称・表示
JIS A 5362基本規格:寸法・許容差
JIS A 5363基本規格:試験方法
JIS A 5364基本規格:材料・製造方法
JIS A 5371製品群規格:一般的なPC製品
JIS A 5372製品群規格:鉄筋コンクリート製品
JIS A 5373製品群規格:プレストレストコンクリート製品

▼ 製品の分類(Ⅰ類・Ⅱ類)

JIS A 5371〜5373では、製品の信頼性や用途に応じて「Ⅰ類」と「Ⅱ類」に区分されています。

分類特徴
Ⅰ類公共工事などで広く採用される、標準化された信頼性の高い製品(JIS認証品)。
Ⅱ類特定用途やコスト調整などに柔軟に対応するため、生産者と購入者の協議により仕様を定めて製造される製品(JIS認証なし / 社内規格)。

🏗️ 施工標準との関係(2023年版 コンクリート標準示方書)

2023年改訂版のコンクリート標準示方書【施工編】において、工場製品は以下のように整理されています。

  • 「施工標準」での扱い: 対象はJIS認証品(Ⅰ類)です。要求する品質を満足するならば、具体的な製造方法は問われません。
  • 「目的別コンクリート」での扱い: 施工者が製作仕様の決定に直接関与する製品が対象となります。

※工場製品を本来と異なる使用目的で用いる場合は、配筋図や特性値に基づいて、安全性や使用性を個別に照査する必要があります。

✍️ 解いてみよう(過去問ドリル)

理解度を確認するために、以下の過去問題に挑戦してみましょう。

四肢択一の過去問題です。正解と思う設問の○をクリックまたはタップしてください。解き終わったら「回答」をクリックまたはタップすると解答が表示されます。

コンクリート製品に関する問題です。

問題1 コンクリート製品に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。

問題2 コンクリート製品に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。

問題3 コンクリート製品に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。

問題4 工場製品に関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか。