一般事項(2023年版コンクリート標準示方書)
型枠および支保工は、設計図書に示された位置・形状・寸法を正確に実現するように設計し、施工計画書に基づいて施工しなければなりません。
出典:コンクリート標準示方書〔施工編〕2023年版
2017年版との比較ポイント
2017年版では、以下のような詳細な要件が明記されていました(2023年版では解説に移行):
- 荷重に対する強度・剛性の確保
- 組立精度の確認(打込み前)
- 労働安全衛生規則の遵守
一般事項 (コンクリート標準示方書 施工編)
- 型枠および支保工は,コンクリート構造物が設計図書に示されている形状,寸法となるように事前に作成した施工計画書に従い,設計,施工しなければならない。
- 型枠および支保工は,別に定める荷重に対して必要な強度と剛性を有し,構造物の形状,寸法にずれが生じないように設計,施工しなければならない。
- 型枠および支保工の組立は,要求される精度が満足されているか,コンクリートの打込み前に組立精度を確認しなければならない。
- 型枠および支保工はの設計,施工においては,本節によるほか「労働安全衛生規則(厚生労働省令)」を遵守しなければならない。
コンクリート標準示方書 施工編2017
荷重の考慮
型枠・支保工には以下の鉛直荷重が作用します:
- 型枠・支保工自体の重量
- コンクリート・鉄筋の重量
- 作業員・機械・仮設設備などの荷重
コンクリートの単位重量:23.5kN/m³
鉄筋の単位重量(一般構造物):1.5kN/m³
水平方向荷重
- 実際に作用する荷重を基本とし、安全性を確保するために照査荷重を用いることもあります。
- 例
- パイプサポート等の現場組立:鉛直荷重の5%
- 鋼管枠組支柱(工場製作):鉛直荷重の2.5%
- 擁壁などの型枠:500N/m²以上
労働安全衛生規則 第240条にも準拠

労働安全衛生規則 (安衛則)第240条第3項、4項で支保工上端に作用する水平(設計)荷重が示されています。
過去に出題されていますので、過去問とあわせ関係する安衛則も目を通しておいてください。
コンクリートの側圧
側圧は以下の要因で変化します:
- コンクリートの単位重量
- 打上がり速度
- 型枠内の温度
- スランプ・混和剤・鉄筋量など
🔍 ポイント
- 温度が高いほど側圧は小さくなる
- 打上がり速度や流動性が高いほど側圧は大きくなる
- 側圧は打ち始めは液圧分布として作用し、時間とともに減少
コンクリート標準示方書 施工編 2017
- コンクリートの側圧は、使用材料、配合、打ち込み速度、打ち込み高さ、締固め方法および打ち込み時のコンクリート温度によって異なる.
また、使用する混和剤の種類,部材の断面寸法、鉄筋量等にも影響を受けるので、その値を定める場合には、これらの要因の影響を十分に検討する必要がある.- 普通ポルトランドを使用し,スランプが約10㎝以下のコンクリートを内部振動機で打込む場合の算定式
・柱の場合
$$P=\frac{Wc}{3}(1+\frac{100R}{T+20})\leq150$$
・壁の場合\(R\geq2m/h\)
$$P=\frac{Wc}{3}(1+\frac{150+30R}{T+20})\leq100$$
・壁の場合\(R<2m/h\) 柱と同一の式を用いて計算してもよい.
ここに, \(P\) :側圧(Ǹ/㎜²)
\(Wc\):コンクリートの単位重量(kN/mm²)
\(R\):打上がり速度(m/h)
\(T\):型枠内のコンクリート温度(℃)

私の場合、式を暗記するのは無理です。ただし式を見てみると、分子に\(Wc\)と\(R\)があるので、\(Wc\)と\(R\)が大きくなれば側圧は当然ながら大きくなるのは理解できます。一方、\(T\)が分母にあるので、コンクリート温度が高くなる(\(T\)が大きくなる)と側圧は小さくなることがわかります。(コンクリート温度が低いほど側圧は大きくなる。)
側圧に与える影響因子は、コンクリートの単体重量、打ち上がり速度、型枠内のコンクリート温度であることは、暗記事項です。
出典:コンクリート標準示方書 施工編 2023 102P

コンクリートの打ち始めの側圧は、液圧分布として作用します。時間の経過とともにコンクリート凝結していくので、液圧よりは小さくなって行きます。遅延剤を用いたコンクリートや高流動コンクリート等の側圧には注意が必要です。
型枠および支保工の取外し
- コンクリートが自重や施工荷重に耐える強度に達するまで、型枠・支保工は取り外してはなりません。
- 強度確認には、供試体の圧縮強度を用いるのが望ましい。
- 取り外しの時期・順序は以下を考慮して決定:
- コンクリートの強度
- 構造物・部材の種類と重要度
- 荷重・気温・風通しなど
- 🔍 取り外しの判断基準
- 圧縮強度の確認(供試体)
- 荷重の少ない部分から順に取り外す
- 建築では設計基準強度の100%以上が原則(JASS 5)
一般的には、荷重の少ない部分から順に取り外す

型枠および支保工の取り外してよいコンクリート圧縮強度の参考値等が下表のように示されています。
土木(コンクリート標準示方書)と建築(JASS 5)では、考え方が多少異なります。
建築では、支保工の存置期間は、設計基準強度の100%以上のコンクリート強度の確認が原則となっています。
出典:2023年制定コンクリート標準示方書 施工編 108p

スマホの場合、ピンチアウトで、図表を拡大することが出来ます。

✅ 試験対策のポイント
- 型枠・支保工の設計・施工の基本ルール
- 安衛則第240条は過去問にも出題されているため、確認必須
- 鉛直・水平荷重の基準値
- 側圧に影響する要因(温度・速度・流動性など)
- 側圧の算定式は暗記不要だが、影響因子は暗記必須
- 取り外しの条件と判断基準
📝解いてみよう(過去問)

四肢択一の過去問題です。正解と思う設問の○をクリックまたはタップしてください。解き終わったら「回答」をクリックまたはタップすると解答が表示されます。





