コンクリートは圧縮には強い一方で、引張強度が非常に小さいという特性があります。そのため、構造用コンクリートでは、引張応力が作用する部分に適切な補強材を用いることが不可欠です。適当な材料で補強する必要があります。
補強材の種類
鋼材
■鉄筋(JIS G 3112 )
- SR295:丸鋼(Steel Round)で、降伏点295 N/mm²。
- SD345:異形棒鋼(Steel Deformed)で、耐力345 N/mm²。
- ヤング係数:約200 kN/mm²(降伏点に関係なく一定)。
- 熱膨張係数:コンクリートとほぼ同等(約10×10⁻⁶/℃)。
■PC鋼材(JIS G 3109)
- プレストレスコンクリート用の高強度鋼材。
- 明瞭な降伏点を持たず、0.2%永久ひずみで耐力を定義。
- リラクセーション:一定のひずみを保つと応力が時間とともに減少。
鋼材がコンクリートの補強材に適している理由
- コンクリートと熱膨張率(常温で約10×10⁻⁵)が近く、温度変化による応力が小さい。
- アルカリ性のコンクリートにより、鋼材表面に不働態被膜が形成され、腐食を防止。
- 鋼材は塑性変形能力が高く、コンクリートに靭性を与える。
鉄筋の基本事項
鋼材のヤング係数(弾性係数)は,200KN/㎟
- 鋼材の熱膨張率は、常温で約12.2×⁻⁵≓10×10⁻⁵(コンクリートとほぼ同等)
- 鉄筋のSR295の295は、降伏点(上降伏点)295(N/㎟)を示す。(「SR」S:鋼(Steel),R:丸鋼(Round bar)))
- 鉄筋のSD345の345は,降伏点もしくは耐力(0.2%ひずみの応力)が345(N/㎟)でることを示す.(「SD」S:鋼(Steel),D:異形棒鋼(Deformed))
- 鋼材(軟鋼)の引張試験を行うと下図のような応力ーひずみ曲線が得られる.

鉄筋の機械的性質 JIS 3112鉄筋コンクリート用棒鋼
鉄筋の種類の記号は、降伏点または耐力とリンクしています。(重要)

スマホの場合、ピンチアウトで、図表を拡大することが出来ます。

出典;JIS G3112から抜粋
異形棒鋼の寸法、単位質量及び節の許容限度
出典;JIS G3112
鋼材メーカーによっては、鉄筋の種類、呼び名が刻印されているものもあります。

PC鋼材の基本事項
PC鋼材とは、鉄筋などの補強用鋼材と比較して高い引張強度を有する、プレストレスコンクリート用の緊張材のことをいいます。
PC鋼材の耐力は、明瞭な降伏点が現れず、0.2%の永久ひずみを生ずる応力を耐力としています。
PC鋼材と鉄筋の応力-ひずみ曲線のイメージを下図に示します。

PC鋼材の種類
PC鋼材は、PC棒鋼(丸棒鋼、(細径)異形棒鋼)、PC鋼より線がある。下表にPC棒鋼の機械的性質を示す。
JIS G 3109 PC棒鋼
リラクセーション
PC鋼材に引張応力を与えて一定の長さ(一定のひずみ)に保っておくと、時間の経過とともにその引張応力が減少する現象をリラクセーションといい、プレストレスの減少に大きな影響を及ぼす。
繊維系 補強材
■短繊維補強材
- コンクリートに均等に混入し、ひび割れ抑制、じん性、引張・曲げ・せん断強度、耐衝撃性を向上。
■連続繊維補強材
- 炭素繊維、アラミド繊維などをエポキシ樹脂と組み合わせたもの。
- 棒状・格子状:鉄筋やPC鋼材の代替。
- シート状:補修・補強に使用。
■主な繊維材料の特徴
| 種類 | 特徴 |
| 炭素繊維 | 高強度・高弾性・高耐食性。PAN系とピッチ系に分類。 |
| アラミド繊維 | 高強度・柔軟性・耐衝撃性に優れるが、耐酸・耐アルカリ性はやや劣る。 |
| ガラス繊維 | 高強度・靭性・安価だが、耐アルカリ性に課題あり。 |
| ビニロン繊維 | 強度は劣るが、アスベスト代替として期待される。 |
本ブログ各種コンクリートの「繊維補強コンクリート」を参照してください。
試験対策のポイント
- 鉄筋の記号(SR・SD)と降伏点の意味を理解する。
- 鋼材とコンクリートの熱膨張係数の関係を押さえる。
- PC鋼材のリラクセーションや応力-ひずみ特性を理解する。
- 繊維補強材の種類と用途の違いを整理しておく。
解いてみよう

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