9.コンクリートの配(調)合

【第Ⅰ部】コンクリート技士・主任技士

コンクリートの配(調)合とは、セメント・水・骨材・混和材料の使用割合や使用量を指します。

  • 土木分野では「配合」、建築分野では「調合」という用語が使われます。
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配合の種類

種類     説明
示方配合所定の品質を得るために仕様書や責任技術者が定めた配合。1m³あたりの使用材料で表す。
現場配合示方配合に基づき、現場の材料状態や計量方法に応じて調整された配合。

※骨材は表面乾燥飽水状態で、細骨材は5mmふるいを通るもの、粗骨材は5mmふるいにとどまるものを基準とします。


配合設計の手順(主に土木コンクリート)

1.粗骨材の最大寸法の選定

  • 構造物の種類、部材の最小寸法、鉄筋のあき・かぶりを考慮。
  • 寸法が大きいほど単位水量が少なくなり、乾燥収縮・クリープの抑制に有効。
  • 建築では複雑な形状が多いため、**小さめの骨材(20~25mm)**が一般的。
  • 無筋コンクリート40mm、鉄筋コンクリート25mmまたは20mm
条件最大寸法の目安
部材最小寸法の1/5例:100mm → 20mm
鉄筋の最小あきの4/3例:30mm → 40mm
鉄筋かぶりの4/3例:30mm → 40mm

(本ブログ 6-2コンクリート用材料 骨材 参照)

2.スランプ・空気量の設定

  • スランプは作業性を確保できる最小値とする。
  • 空気量は耐凍害性やワーカビリティー向上に寄与するが、強度低下の要因にもなるため、必要最小限に。

3.配合強度の決定

基本式

コンクリートの配(調)合強度(\(f’_{cr})\)は、品質のバラツキを考慮して、設計基準強度(\(f’_{ck})\)に割増し係数(\(\alpha\))を乗じ決定します。
$$f’_{cr}=\alpha \cdot f’_{ck}$$
\(f’_{cr}\):配合強度
\(f’_{ck}\):設計基準強度
\(\alpha\):割増係数(変動係数Vにより決定)

土木構造物(JIS・標準示方書):

  • 試験値が設計基準強度を下回る確率が5%以下となるように設定。
  • 割増係数:\(\alpha\)=\(\frac{1}{1-\frac{3V}{100\sqrt{3}}}\)

レディーミクストコンクリート(JIS A 5308):

  • 3個1組の供試体の平均値で評価。
  • 2条件を満たす必要あり:
    • 平均値 ≥ 85% × 呼び強度 +3 \(\sigma\)
    • 平均値 ≥ 呼び強度 + \(\frac{3}{\sqrt{3}}\)\(\sigma\)

配合強度(補足)

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4.水セメント比の算定

  • 小さいほど強度・耐久性・水密性が向上
  • ただし、過度に小さいとコスト増・温度ひび割れのリスク
  • 土木学会標準示方書では**W/C ≤ 65%**が推奨。

5.単位水量の算定

  • 所定のスランプを得る範囲で最小限に設定
  • AE剤や減水剤の使用で水量を削減可能
  • 土木コンクリートの上限:175 kg/m³

6.単位セメント量の算定

  • 単位水量と水セメント比から算出。
  • 用途に応じた基準値の例:
用途単位セメント量(kg/m³)
建築物最小270
水中コンクリート(杭)約330
水中コンクリート(地中壁) 約360
舗装コンクリート280~350
ダム(RCD)120~130(結合材量)

7.細・粗骨材の算定

  • 骨材量を細骨材率で分配。
  • 細骨材率が小さいほど経済的だが、ワーカビリティー低下に注意。
  • 試験により最適な細骨材率を決定。

8.混和材料の使用量の算定

  • AE剤・減水剤などは試し練りで調整

9.現場配合への換算

  • 骨材の粒度や**含水状態(表面水率)**に応じて補正。

10.配合計算図の活用

  • 単位重量や水セメント比、細骨材率などから各材料の単位量を算出
  • 試験や過去問では、配合計算図を描いて解く練習が有効

出典:コンクリート技術の要点

✅ 試験対策のポイント

  • 配合強度の計算式と割増係数の理解
  • 水セメント比・単位水量・細骨材率の影響と調整方法
  • 配合計算図の描き方と使い方に慣れる
  • 過去問を繰り返し解いて、計算パターンに慣れることが重要

主任技士での問題で、例えば、計算に細骨材の単位量が必要な場合、粗骨材のかさ容積、実積率、細骨材率から求めなければならなかったり、また、水、セメント、空気の単位容積から骨材の容積を出してから求めたりと、・・・・主任技士の受験で過去問を解いていると出題年によって、微妙に変化球をつけているなと感じた次第です。
過去問や本番でも配合計算図を自分で描き、既知数を埋めていきながら解いていきました。過去問をできるだけ多く解き、計算の仕方(やり方)に慣れておくのが結局は、早道である。と思う次第です。

解いてみよう

理解度を確認するために、以下の過去問題に挑戦してみましょう。
四肢択一の過去問題です。正解と思う設問の○をクリックまたはタップしてください。解き終わったら「回答」をクリックまたはタップすると解答が表示されます。

コンクリート 配(調)合(技士) に関する問題です。

問題1 下表に示すコンクートの配(調)合に関する記述のうち、不適当なものはどれか。 ただし、セメントの密度は3.15g/cm³、細骨材の表乾密度は2.62g/cm³、粗骨材の表乾密度は2.66g/cm³とする。

問題2 同一のスランプを得るためのコンクリートの配(調)合の修正における細骨材率の補正に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。

問題3 下表に示すコンクリートの配(調)合に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。ただし、セメントの密度は3.16g/cm³、細骨材の表乾密度は2.60g/cm³、粗骨材の表乾密度は2.67g/cm³とする。

問題4 コンクリートの配(調)合に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。ただし、セメントの密度は3.15g/cm³、フライアッシュの密度は2.25g/cm³、細骨材の表乾密度は2.61g/cm³、粗骨材の表乾密度は2.69g/cm³とし、フライアッシュは結合材とみなす。

問題5 下表のコンクリートの配(調)合に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。ただし、セメン卜の密度は3.16g/cm3、細骨材の表乾密度は2.59g/cm3、粗骨材の表乾密度は2.64g/cm3とする。