コンクリートの配(調)合とは、セメント・水・骨材・混和材料の使用割合や使用量を指します。
- 土木分野では「配合」、建築分野では「調合」という用語が使われます。
配合の種類
| 種類 | 説明 |
| 示方配合 | 所定の品質を得るために仕様書や責任技術者が定めた配合。1m³あたりの使用材料で表す。 |
| 現場配合 | 示方配合に基づき、現場の材料状態や計量方法に応じて調整された配合。 |
※骨材は表面乾燥飽水状態で、細骨材は5mmふるいを通るもの、粗骨材は5mmふるいにとどまるものを基準とします。
配合設計の手順(主に土木コンクリート)
1.粗骨材の最大寸法の選定
- 構造物の種類、部材の最小寸法、鉄筋のあき・かぶりを考慮。
- 寸法が大きいほど単位水量が少なくなり、乾燥収縮・クリープの抑制に有効。
- 建築では複雑な形状が多いため、**小さめの骨材(20~25mm)**が一般的。
- 無筋コンクリート40mm、鉄筋コンクリート25mmまたは20mm
| 条件 | 最大寸法の目安 |
| 部材最小寸法の1/5 | 例:100mm → 20mm |
| 鉄筋の最小あきの4/3 | 例:30mm → 40mm |
| 鉄筋かぶりの4/3 | 例:30mm → 40mm |
(本ブログ 6-2コンクリート用材料 骨材 参照)
2.スランプ・空気量の設定
- スランプは作業性を確保できる最小値とする。
- 空気量は耐凍害性やワーカビリティー向上に寄与するが、強度低下の要因にもなるため、必要最小限に。
3.配合強度の決定
基本式
コンクリートの配(調)合強度(\(f’_{cr})\)は、品質のバラツキを考慮して、設計基準強度(\(f’_{ck})\)に割増し係数(\(\alpha\))を乗じ決定します。
$$f’_{cr}=\alpha \cdot f’_{ck}$$
\(f’_{cr}\):配合強度
\(f’_{ck}\):設計基準強度
\(\alpha\):割増係数(変動係数Vにより決定)
土木構造物(JIS・標準示方書):
- 試験値が設計基準強度を下回る確率が5%以下となるように設定。
- 割増係数:\(\alpha\)=\(\frac{1}{1-\frac{3V}{100\sqrt{3}}}\)
レディーミクストコンクリート(JIS A 5308):
- 3個1組の供試体の平均値で評価。
- 2条件を満たす必要あり:
- 平均値 ≥ 85% × 呼び強度 +3 \(\sigma\)
- 平均値 ≥ 呼び強度 + \(\frac{3}{\sqrt{3}}\)\(\sigma\)
配合強度(補足)
①土木構造物の試験値が設計基準強度(\(f’_{ck})\)を下回る確率が5%以下となるように定める。
この条件を標準偏差(\(\sigma\))で表すと以下の式になります。
配合強度(\(f’_{cr})\)= 設計基準強度(\(f’_{ck})\)+ 1.645\(\alpha\)
変動係数V(%)によって表すと\(\alpha\)(割増し係数)は、以下の式になります。
$$ \alpha=\frac{1}{1-\frac{1.645V}{100}} $$
②レディーミクストコンクリート(JIS A 5308)では、3個1組の供試体の試験の平均値を1回の試験結果として
ⅰ)1回の試験結果は、購入者が指定した呼び強度の強度値の85%以上でなければならない。
ⅱ)3回の試験結果の平均値は、購入者が指定した呼び強度の強度値以上でなければならない。
これらを標準偏差で表すと以下の式になります。
ⅰ)配合強度(\(f’_{cr})\)=0.85\(\times\)\設計基準強度(\(f’_{ck})\)+3\(\sigma\)(標準偏差)
ⅱ)配合強度(\(f’_{cr})\)=設計基準強度(\(f’_{ck})\)+\(\frac{3}{\sqrt{3}}\)\(\sigma\)(標準偏差)
また、変動係数V(%)で表すと以下になります。
ⅰ) \(\alpha\)=\(\frac{0.85}{1-\frac{3V}{100}}\)
ⅱ) \(\alpha\)=\(\frac{1}{1-\frac{3V}{100\sqrt{3}}}\)
割増し係数は、ⅰ)ⅱ)の大きい値を示す方をとる。
下図は、変動係数と割増し係数の関係を表したものです。
出典:コンクリート技術の要点
JASS 5 の場合
ⅰ)調合強度は、標準養生した供試体の材齢m日における圧縮強度で表すものとし、以下の式を満足しなければならない。mは原則として28日である。
\(F \text{≧} F_{m}+1.73\sigma(N/mm^2)\)
\(F \text{≧} 0.85F_{m}+3\sigma(N/mm^2)\)
ここに
\(F\):コンクリートの調合強度\((N/mm^2)\)
\(F_{m}\):コンクリートの調合管理強度\((N/mm^2)\)
\(\sigma\):使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差\((N/mm^2)\)
ⅱ)調合管理強度は、下式によって算出される値とする。
\(F_{m}= F_{q}+_{q}S_{n}(N/mm^2)\)
ここに
\(F_{m}\):コンクリートの調合管理強度\((N/mm^2)\)
\(F_{q}\):コンクリートの品質基準強度\((N/mm^2)\)
品質基準強度は、設計基準強度または耐久設計基準強度のうち大きい値とする。
\(_{q}S_{n}\):標準養生した供試体の材齢\(m\)日における圧縮強度と構造体コンクリートの材齢\(n\)日における圧縮強度の差による構造体強度補正値\((N/mm^2)\)。ただし\(_{q}S_{n}\)は0以上の値とする。
ⅲ)構造体強度補正値\(_{q}S_{n}\)は特記による。特記がない場合は\(m\)を28日、\(n\)を91日とし、下表により、セメントの種類およびコンクリートの打込みから材齢28日までの予想平均気温の範囲に応じて定める。
出典:コンクリート工学会 コンクリート技術の要点
4.水セメント比の算定
- 小さいほど強度・耐久性・水密性が向上。
- ただし、過度に小さいとコスト増・温度ひび割れのリスク。
- 土木学会標準示方書では**W/C ≤ 65%**が推奨。
5.単位水量の算定
- 所定のスランプを得る範囲で最小限に設定。
- AE剤や減水剤の使用で水量を削減可能。
- 土木コンクリートの上限:175 kg/m³
6.単位セメント量の算定
- 単位水量と水セメント比から算出。
- 用途に応じた基準値の例:
| 用途 | 単位セメント量(kg/m³) |
| 建築物 | 最小270 |
| 水中コンクリート(杭) | 約330 |
| 水中コンクリート(地中壁) | 約360 |
| 舗装コンクリート | 280~350 |
| ダム(RCD) | 120~130(結合材量) |
7.細・粗骨材の算定
- 骨材量を細骨材率で分配。
- 細骨材率が小さいほど経済的だが、ワーカビリティー低下に注意。
- 試験により最適な細骨材率を決定。
8.混和材料の使用量の算定
- AE剤・減水剤などは試し練りで調整。
9.現場配合への換算
- 骨材の粒度や**含水状態(表面水率)**に応じて補正。
10.配合計算図の活用
- 単位重量や水セメント比、細骨材率などから各材料の単位量を算出。
- 試験や過去問では、配合計算図を描いて解く練習が有効。
出典:コンクリート技術の要点
✅ 試験対策のポイント
- 配合強度の計算式と割増係数の理解
- 水セメント比・単位水量・細骨材率の影響と調整方法
- 配合計算図の描き方と使い方に慣れる
- 過去問を繰り返し解いて、計算パターンに慣れることが重要

主任技士での問題で、例えば、計算に細骨材の単位量が必要な場合、粗骨材のかさ容積、実積率、細骨材率から求めなければならなかったり、また、水、セメント、空気の単位容積から骨材の容積を出してから求めたりと、・・・・主任技士の受験で過去問を解いていると出題年によって、微妙に変化球をつけているなと感じた次第です。
過去問や本番でも配合計算図を自分で描き、既知数を埋めていきながら解いていきました。過去問をできるだけ多く解き、計算の仕方(やり方)に慣れておくのが結局は、早道である。と思う次第です。
解いてみよう

理解度を確認するために、以下の過去問題に挑戦してみましょう。
四肢択一の過去問題です。正解と思う設問の○をクリックまたはタップしてください。解き終わったら「回答」をクリックまたはタップすると解答が表示されます。





