骨材は、モルタルやコンクリートの骨格を形成する材料で、セメントと水と混練される砂、砂利、砕石、砕砂、人工軽量骨材、スラグ骨材などが含まれます。粒径により「細骨材」と「粗骨材」に分類されます。
細骨材
細骨材の定義
・10mmふるいを全て通過し、5mmふるいを85%以上通過する粒子。
粗骨材
粗骨材の定義
・5㎜ふるいに85%以上とどまる粒子
骨材の品質と性能
品質要件
- コンクリートに用いる細骨材及び粗骨材は,清浄,堅硬,劣化に対する抵抗性をもち化学的および物理的に安定し,有機不純物,塩化物等を有害量以上含まないものとする。
- コンクリートに用いるスラグ骨材は、環境安全品質基準を満たすものとする。
土木学会コンクリート標準示方書【施工編】:2023
不純物の影響
有機物、塩化物、泥分、粘土塊などがコンクリートの性能や鋼材腐食に悪影響。
耐久性
化学的・物理的に安定し、耐凍害性が必要。
硫酸ナトリウムによる安定性試験やアルカリ骨材反応試験(モルタルバー法や化学法)で確認。
アルカリ骨材反応については、「8章コンクリートの耐久性3.アルカリ骨材反応」で記載していますので、そちらを参照してください。
すり減り抵抗性
ロサンゼルス試験で確認。舗装やダムに重要。
すり減り抵抗性については、「8章コンクリートの耐久性6.すりへり」で記載していますので、そちらを参照してください。
耐火性
熱伝導率・熱膨張率が小さく、耐熱性の高い骨材が望ましい。
骨材の種類と規格
砂・砂利
自然由来(河川、海、山など)。JIS A 5308:2019。
砂・砂利の品質規定
レディーミクストコンクリート用の砂・砂利の品質がJIS A 5308:2019で規定されています。

スマホの場合、ピンチアウトで、図表を拡大することが出来ます。

出典:JIS A 5308:
砕石・砕砂
岩石を破砕して製造。JIS A 5005:2009。
出典:JIS A5005:2009
軽量骨材(構造用軽量コンクリート骨材)
構造物の軽量化目的。人工軽量骨材のみJIS A 5308附属書Aで規格化。プレウェッティング設備が必要。
軽量骨材の種類軽量骨材の種類は、JIS で、下表のように分類されています。
JIS A 5308レディーミクストコンクリート附属書Aにおいては,人工軽量骨材のみ規格化されています。よって, 天然軽量骨材, 天然軽量骨材は使用することはできません。赤枠内がレミコン用の対象となります。
軽量骨材の絶乾密度による区分
軽量骨材の実積率による区分
フレッシュコンクリートの強度による区分
軽量骨材の品質規格
軽量粗骨材の粒度
出典:JIS A5002:2003
スラグ骨材
金属精錬副産物。高炉スラグ、フェロニッケル、銅スラグ、電気炉酸化スラグなど。JIS A 5011-1~4。
副産物をリサイクル利用することで、天然骨材の枯渇問題への対応や環境負荷の低減等が図られます。
出典:JIS A5011-1~4
コンクリート工学会のホームページにコンクリート用スラグ骨材の種類と特徴が掲載されていますので、是非そちらも参考にしてください。
スラグ骨材の環境安全品質基準
溶融スラグは、重金属類の有害物質を含有し、溶出することがあるため環境安全基準が定められている。(下表は高炉スラグの環境安全基準)
一般用途
港湾用途
骨材の種類、品質のここまでのまとめ
まとめ
1)骨材は、その粒径により細骨材と粗骨材に分類される。経済的でワーカビリティーがよいコンクリートを造るには、細骨材と粗骨材の粒径分布が重要である。(標準粒径分布は、標準示方書:施工編に示されている。)
2)骨材に求めらる品質は、①不純物が含まれないこと、②耐久性があること、③すりへり抵抗性があること、④(耐火性が求められる場合もある)。
3)骨材の種類は①砂、砂利②砕砂、砕石③軽量骨材(人工軽量骨材)④スラグ骨材(高炉スラグ骨材、フェロニッケル骨材、銅スラグ骨材、電気炉酸化スラグ骨材)がある。
4)スラグ骨材は、重金属が溶出することがあるため環境基準が決められている。
粒度と最大寸法
粗粒率(F.M.) 骨材の平均粒径の大きさや粒度を表す指標
骨材の平均粒径を示す指標。配合設計や配合の修正に使用。
粗粒率(F.M.)80mmのふるい目から1/2をして0.15mmまでの10種類のふるいに留まる(重量)比率の合計×100として算出されます。
80mm 40mm 20mm 10mm 5mm 2.5mm 1.2mm 0.6mm 0.3mm 0.15mm
一般に粗粒率が大きいほど、骨材の平均粒径は大きいです。
粗粒率が同じでも、粒度分布が必ずしも一致するわけではありません。
コンクリート標準示方書〔施工編〕では、”配合選定の際に用いた細骨材に対して粗粒率が0.2以上変化するとワーカビリティーに及ぼす影響も大きくなる。”と記載されています。
土木学会標準示方書〔施工編〕:2023に細骨材および粗骨材の粒度の標準が示されています。(下表)
この表に示される粒度範囲にある骨材を用いれば、比較的少ない単位水量と単位セメント量で、所用のワーカビリティーをもったコンクリートを造ることが出来、また、近年、良質なコンクリート用骨材の入手が困難に状況において、種々の骨材を混合して使用する場合の粒度についてもが下表が使用可能であることが標準示方書で示されています。
粗骨材の最大寸法:部材寸法、鉄筋間隔、かぶり厚さにより制限。
粗骨材の最大寸法は、コンクリート標準示方書〔施工編〕で以下のように定められています。
1.粗骨材の最大寸法は、鉄筋コンクリートの場合は、部材最小寸法の1/5を、無筋コンクリートの場合は、部材最小寸法の1/4を超えないことを標準とする。
2.粗骨材の最大寸法は、はりおよびスラブの場合は、鉄筋の最小水平あきの3/4を超えてはならない。
3.粗骨材の最大寸法は、かぶりの3/4を超えてはならない。
4.粗骨材の最大寸法の標準
①最小寸法断面が大きい(目安として50mm以上)かつ鋼材の最小あきおよびかぶりの3/4>40mmの場合⇒粗骨材の最大寸法40mm
②上記以外⇒粗骨材の最大寸法20mmまたは25mm
出典:コンクリート標準示方書【施工編】2023
細骨材の粒度:標準示方書に基づき、適切な粒度範囲でワーカビリティーを確保。
出典:コンクリート標準示方書【施工編】2023
骨材の含水状態・・・・配合設計時に必要
表面乾燥飽水状態(表乾状態)
- 骨材が100%吸水し、骨材内部の空隙が水で満たされ、かつ表面は乾燥した状態を表面乾燥飽水状態(表乾状態)という。
- 配(調)合設計での単位水量は、表乾状態を基準として求められるので、現場配(調)合での実際の練混ぜ水量は、有効吸水量や表面水量を補正して求める必要がある。
出典:コンクリート技術の要点
骨材に関係した水量と密度に関する関係式
以下に関係式を示しています。
出典:コンクリート技術の要点

自身の業務経験では、土の含水率にはなじみがあるものの骨材の吸水率とか表面水率などほとんど実務で使ったことがなく、式だけを見ていても私自身あまりイメージがわきませんでした。
主任技士試験では、配合等と絡めての計算問題がほぼ毎年と言っていいほど出題されています。
私の場合、過去に出題された計算問題を解いているうちに理解していきました。繰り返し過去に出題された計算問題を行って、あまり時間をかけずに解けるようになりました。
各種骨材の絶乾密度と吸水率の規格
下表は、各種骨材の絶乾密度と吸水率の規格値をまとめたものです。
各種骨材の絶乾密度と吸水率の規格値
出典:コンクリート技術の要点

骨材の絶乾密度は、2.5以上、吸水率は3.0(3.5)以下、砂利の場合は購入者の承諾が得られれば絶乾密度2.4以上、吸水率4.0以下とすることが出来ます。これは、過去に出題されています。
JIS A 5308のレディーミクストコンクリートに関する問題が多い気がしますが、特に主任技士を受験される方は、下表右端欄の関連JISの規定にも目を配っておいてください。
骨材の単位容積質量と実積率
(骨材の)単位容積質量とは
- 単位容積質量は,容器に満たした骨材の絶乾質量を容器の単位容積当たりに換算したものである.
⇒単位容積質量(㎏/m³,㎏/ℓ)=容器に満たした骨材の絶乾重量/容器の容積
(骨材の)実積率とは
- 実積率は、容器に満たした骨材の絶対容積のその容積に対する百分率(%)で表したもので,骨材を容器に詰めた場合,どの程度隙間なく詰まっているかを表す指標である。
⇒実積率が大きいほど単位容積質量は大きくなる. - 実績率の一般的な傾向
一般に,粒形が球形に近い砂利・砂は,砕石・砕砂に比較して,実積率が高い.また,骨材の粒度が適当であれば,最大寸法が大きいほど,単位容積質量が大きく,実積率は高くなる。

技士/主任技士とも粗粒率の計算問題は、必ずと言っていいほど出題されます。問題で、通過した重量比率を示されたら、留まる重量比率に変換する必要があります。ひっかけ問題に注意してください。
解いてみよう

理解度を確認するために、以下の過去問題に挑戦してみましょう。
四肢択一の過去問題です。正解と思う設問の○をクリックまたはタップしてください。解き終わったら「回答」をクリックまたはタップすると解答が表示されます。





















