寒中コンクリートとは
寒中コンクリートは、日平均気温が4℃以下になると予想される環境下で施工されるコンクリートのことです(コンクリート標準示方書より)。このような低温条件では、セメントの凝結・硬化反応が遅れ、コンクリートが凍結するリスクが高まります。そのため、打込み温度を5~20℃に保ち、養生温度を5℃以上に維持するなどの対策が必要です。
JASS 5では、以下のいずれかの条件を満たす期間を寒中と定義しています:
- 打込み日を含む「旬」(上旬:1~10日、中旬:11~20日、下旬:21~月末)の平均気温が4℃以下
- 打込み後91日間の積算温度(M₉₁)が840°D・D未満
積算温度は以下の式で求められます:
$$M_n=\sum_{n}(\theta_z+10)$$
ここで、\(\theta_z\)は日平均温度の旬別平年値です。
寒中コンクリートの注意点
初期凍害のリスク
打込み後の初期材齢で一度でも凍結すると、強度・耐久性・水密性などの品質が確保できなくなる可能性があります。これを防ぐためには、保温養生や加熱養生の計画・実施が不可欠です。
材料に関する注意点
セメント
- 早強ポルトランドセメントが推奨されます。
- マスコンクリートや高強度コンクリートでは、他のセメントを使用する場合もありますが、初期凍害に注意が必要です。
- 混合セメント(B種など)を使用する場合は、低温下での強度発現低下に対する養生対策が必要です。
- セメントは加熱してはいけません。
骨材
- 凍結や氷雪の混入を防ぐように保管し、氷雪が混入した骨材は使用不可。
- 骨材の加熱は65℃以下にし、直接火で加熱してはいけません。
水
- 水は加熱しやすく、水と骨材の混合物を40℃以下に保てば急結の心配はありません。
混和剤
- AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤の使用が推奨されます。初期凍害防止に有効です。
コンクリート温度の管理
- 荷卸し時の温度は、JASS 5では10~20℃、標準示方書では5~20℃が原則。
- セメント投入直前のミキサ内温度は40℃以下にする必要があります。
温度低下の計算式
コンクリートの温度は、1時間ごとに「練混ぜ時の温度」と「周囲気温」の差の約15%ずつ低下するとされています。
$$T₂=T₁-0.15(T₁-T₀)t $$
\(T₀\):周囲の気温(℃)
\(T₁\):練混ぜた時のコンクリート温度(℃)
\(t\):練り混ぜから打込みまでの時間(h)
\(T₂\):打込み終了時のコンクリート温度(℃)
養生の注意点
- コンクリートが圧縮強度5.0N/mm²に達するまで、凍結させないように養生する必要があります(JASS 5)。
- 標準示方書では、養生温度を5℃以上に保つことが求められ、寒さが厳しい場合や部材が薄い場合は10℃以上が望ましいとされています。
- セメントの種類や養生温度に応じて、養生期間の目安が示されています。

スマートフォンの場合、ピンチアウトで、図表を拡大することができます。




