鉄筋の加工・組立
鉄筋の加工
1.設計図に基づく加工
鉄筋は、設計図に示された形状・寸法に正確に一致するよう、材質を損なわない方法で切断・加工します
2.加工温度の基本原則
加工は常温で行うのが基本です。特に、曲げた鉄筋を再び伸ばす「曲げ戻し」は、材質に悪影響を及ぼす可能性があるため、原則として行いません。
3.溶接の制限
鉄筋の性能低下を防ぐため、定められた方法以外での溶接は原則禁止されています。
4.エポキシ樹脂塗装鉄筋の取り扱い
防錆効果を損なわないよう、適切な方法で加工する必要があります。
5.曲げ半径の基準
鉄筋の曲げ加工は、「コンクリート標準示方書(設計編)」に定められた半径以上で行う必要があります。また、「JASS 5」にも図示された基準があります。
コンクリート標準示方書 設計編 2017
・JASS 5の基準
出典:JASS 5

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鉄筋の組立
1.清掃の徹底
組立前に鉄筋を清掃し、浮き錆やコンクリートとの付着を妨げる物質を除去します。
2.正確な配置と固定
鉄筋は設計通りの位置に配置し、コンクリート打設時に動かないよう、必要に応じて組立用鋼材を使用してしっかり固定します。
3.スペーサの使用
鉄筋と型枠の間隔は、スペーサを用いて正確に保ちます。
4.交点の緊結
鉄筋の交点は、直径0.8mm以上の焼きなまし鉄線またはクリップでしっかりと結束します。
鉄筋のあき(間隔)
コンクリート標準示方書による規定
- 梁の鉄筋:水平間隔は20mm以上、粗骨材最大寸法の4/3倍以上、鉄筋径以上。バイブレーター挿入のための間隔も確保。
- 柱の鉄筋:間隔は40mm以上、粗骨材最大寸法の4/3倍以上、鉄筋径の1.5倍以上。
JASS 5による規定
- 鉄筋同士の間隔は、粗骨材最大寸法の1.25倍以上かつ25mm以上。丸鋼は径の1.5倍以上、異形棒鋼は呼び名の1.5倍以上。
- 重ね継手と隣接鉄筋の間隔も同様の基準を適用。
かぶり(かぶり厚さ)
鉄筋表面とコンクリート表面の最短距離を「かぶり」と呼びます。鉄筋の付着力確保、腐食防止、火災時の保護のため、一定以上の厚さが必要です。
コンクリート標準示方書(施工編)
- 一般環境下では、用途に応じたかぶり厚さが定められています。
- 特殊条件下では以下のような基準があります:
- 地中打設:75mm以上
- 水中施工:100mm以上
- 流水や摩耗:通常より厚く
- 酸性河川や化学作用:保護層で対応
- 耐火構造:火熱条件や骨材性質を考慮
スペーサの配置目安:
- 梁・床版:1m²あたり4個以上
- 壁・柱:1m²あたり2~4個程度
コンクリート標準示方書 施工編 2017
JASS 5による規定
- 計画供用期間(30年~200年)や環境条件に応じて最小かぶり厚さが定められています。
- 施工誤差10mmを加味した数値が基準。
- スペーサ・バーサポートの配置:梁は1.5m間隔、スラブは1.3個/m²。
JASS 5
鉄筋の接手(継手)
標準示方書の規定
- 継手の位置・方法は設計図書に従う。
- 設計にない継手を設ける場合は、設計編の規定に従う。
- 重ね継手は所定の長さを重ね、焼きなまし鉄線で数箇所緊結。
- 継手の種類(重ね・圧着・溶接・機械式など)は適切な方法で施工。
- 構造物から露出する鉄筋は、損傷・腐食から保護する。
接手の種類
- 重ね継手:D32までの鉄筋に使用され、施工が容易。
- その他の継手:圧着、ねじ加工、溶融金属充填、モルタル充填、自動ガス圧接など。各種指針に従って施工。
代表的な接手の種類は、以下の図に示されています。
出典:コンクリート技術の要点 ’20
継手部の注意点
- 応力の大きい断面は避ける。
- 同一断面に継手を集中させない。
- 継手位置は軸方向にずらす(鉄筋径の25倍または断面高さ以上)。
- 継手施工機器の挿入スペースを確保。
- 所定のかぶり厚さを守る。
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