「コンクリートのお医者さん」と呼ばれる資格、コンクリート診断士。 なぜ、私がこの難関資格を目指したのか。そこには、過酷な港湾現場での経験と、ある一冊の本との出会いがありました。
今回は、私が診断士として目指す**「コンクリートの町医者」としての姿**と、その原点についてお話しします。
コンクリート診断士とは?
コンクリート診断士は、構造物の劣化状況を調査・診断し、補修や補強の方針を提案する専門家です。 まさに**「インフラのお医者さん」**であり、建物の長寿命化に欠かせない存在です。
試験は、コンクリートの材料・施工・維持管理に関する幅広い知識に加え、的確な診断・提案力が問われる難関資格として知られています。
港湾現場で痛感した「維持管理」の重要性
私は長年、港湾や海岸分野の調査・設計・工事監督に従事してきました。 ご存知の通り、海はコンクリートにとって非常に過酷な環境です。塩害や波浪による劣化は避けられず、どれだけ立派に作った構造物でも、維持管理を怠れば急速に傷んでしまいます。
現場で**「作って終わり」ではなく、「守り続ける」ことの重要性**を、私は身を持って痛感してきました。
その経験を形にするため、まずは「海洋・港湾構造物維持管理士」を取得しました。専門分野の知識が体系化され自信にはなりましたが、同時にある思いが芽生え始めたのです。
「海だけではない。日本のインフラ全体が、今まさに治療を必要としているのではないか?」

参考:海洋・港湾構造物維持管理士について👉「資格の詳細はこちら」
衝撃を受けた一冊の本
そんな時期に出会ったのが、溝渕利明先生の著書**『コンクリート崩壊 危機にどう備えるか』**でした。
高度経済成長期に整備されたインフラが、静かに、しかし確実に悲鳴を上げている現実。 「作って終わり」の時代は完全に去り、「どう守り抜くか」が問われている時代への変化。
- 「誰かがやらなければ、日本の安全が危ない」
- 「コンクリートのドクターが必要だ」
この本を読んだとき、一人の技術者として背筋が凍りました。
この危機感が、私の意識を「港湾の専門家」から**「インフラ全体の守り手」**へと変える決定打となりました。

私が目指す「コンクリートの町医者」像
私が診断士として目指す姿は、大学病院の権威ある名医ではありません。 現場に寄り添い、どんな小さな異変も相談できる**「町医者」**です。
劣化の進行が早い港湾現場を見てきたからこそ、早期発見の大切さや延命治療の難しさが痛いほど分かります。 その経験を活かし、どんな構造物に対しても「どうすれば少しでも長く使えるか」を親身になって考えていきたい。それが私の信念です。
まとめ
私が難関と言われるコンクリート診断士に合格できたのは、単なる知識の暗記ではありません。現場での実体験と、書籍等から得た「日本のインフラを守らなければならない」という強い使命感があったからです。
これからも**「海を知る町医者」**の一人として、一つひとつの構造物と真摯に向き合っていきます。


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