【雑記】0-6 コンクリート標準示方書【施工編】改訂②|圧縮強度の目標値と統計的考え方

【第Ⅰ部】コンクリート技士・主任技士

2023年に改訂されたコンクリート標準示方書【施工編】では、レディーミクストコンクリートの圧縮強度の目標値の定め方について、統計的な考え方がより明確に示されました。消費者危険や生産者危険などのリスクを考慮し、適切な配合強度や呼び強度を設定することが求められます。

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圧縮強度の目標値の考え方

JIS認証品のレディーミクストコンクリートを購入する際、以下のような方法で呼び強度を設定することが考えられます:

  1. 圧縮強度の下限値(呼び強度の85%)を指定する方法
  2. 合格判定基準値を呼び強度に指定する方法
  3. 圧縮強度の特性値を呼び強度に指定する方法

標準示方書では、施工に用いるコンクリートの強度目標値が配合強度より低くならないよう、呼び強度は合格判定基準値を満足するように指定することが推奨されています。

合格判定基準値とリスクの考慮

合格判定基準値を定める際には、以下の2つのリスクを考慮する必要があります:

  • 不良率(消費者危険):施工後に強度不足となるリスク
  • 生産者危険:検査で不合格となるリスク

発注者によって不良率の設定は異なり、5%とする場合もあれば25%とする場合もあります。検査基準は発注者の判断に委ねられる形です。

参考文献:日本コンクリート工学会『コンクリート技士・主任技士研修テキスト’24』p65~68

圧縮強度の目標値を定める式(概要)

標準示方書では、統計的な手法を用いて圧縮強度の目標値を算出する式が示されています。以下はその概要です:

■ 試験値の平均値(1回の試験=3本の供試体の平均)


\(f’_{avg}\)=\(\frac{1}{{1-1.645V_1}}\)\(\cdot f’_{ck}\)

■ 合格判定基準値(生産者危険 \({\alpha}%\)を考慮)


\( f’_{cn} = \left(1 – \frac{K_{\alpha}V_1}{\sqrt{n}} \right) \cdot f’_{avg} \)

■ 圧縮強度の目標値(検査不合格率0.135%を考慮)


\(f’_{cr}=\frac{1}{1-3V_0/\sqrt{n}}\cdot f’_{cn}\)

■ 割増し係数(配合設計時に使用)

\(割増し係数=\frac{1}{1-3V/\sqrt{n}}\cdot\frac{1-K_{\alpha}V/\sqrt{n}}{1-1.645V}\)

※ここでの変動係数\(V\) は、標準偏差を目標値で割った値です。

設計時の参考値

試験回数 \(n=3\)
変動係数\( V=10%\)
生産者危険\({\alpha}=10%\) →\(K_{\alpha}=1.282\)
割増し係数 ≒ 1.34
出典:土木学会:2023年制定 コンクリート標準示方書【施工編】 59~60P

土木学会標準示方書

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統計の重要性と参考文献

品質管理・品質検査において、統計の理解は避けて通れません。
以下の文献も参考になります:
町田篤彦”コンクリートの品質管理及び品質検査と統計の関係”コンクリート工学
(当時の基準に基づいて書かれていますので、ご留意願います。)
また、当ブログの関連記事として:
👉 第10章:コンクリートの製造と品質管理
👉 第5節:正規分布の基礎知識

もぜひご参照ください。受験対策として最低限押さえておきたい統計の知識をまとめています。

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