13-3 マスコンクリート

【第Ⅰ部】コンクリート技士・主任技士
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マスコンクリートとは

マスコンクリートとは、部材や構造物の寸法が大きく、水和熱による温度上昇が著しいため、ひび割れなどの影響を考慮して設計・施工する必要があるコンクリートのことです。

📏 寸法の目安(コンクリート標準示方書より)

  • スラブ:厚さ80~100cm以上
  • 下端が拘束された壁:厚さ50cm以上

🌡️ 温度ひび割れとは

温度ひび割れは、コンクリートの温度変化によって発生するひび割れで、以下の2種類があります:

①内部拘束によるひび割れ

  • 水和熱により部材内部と表面の温度差が生じ、初期段階で表面にひび割れが発生します。

②外部拘束によるひび割れ

コンクリート全体が冷却されて収縮しようとする際、地盤や既設構造物に拘束されて引張力が発生し、貫通ひび割れが生じやすくなります。

上図のように下端が拘束されると、収縮して縮まりたいけど、縮まれない(拘束されている)から、そのしわ寄せでひび割れが生じます。

温度ひび割れ抑制対策

①配合に関する対策

  • 低熱型セメント(低熱・中庸熱ポルトランドセメント、混合セメント)を使用
  • 単位セメント量を減らすために、粗骨材の最大寸法を大きくする
  • スランプを小さくして単位水量・セメント量を抑える
  • 高性能AE減水剤や流動化剤を活用して水・セメント量を削減

②打設に関する対策

  • プレクーリングなどで練り上がり温度を下げる
  • 1回の打ち上がり高さを低くする

③養生に関する対策

  • 内部温度が最大に達した後も型枠を残すことで温度差を緩和
  • 断熱型枠や保温シートで表面を覆う
  • パイプクーリングを実施する

温度ひび割れ指数(Icr)

温度ひび割れの発生リスクを評価するために、以下の指標が用いられます。
この式は、温度応力に対する引張強度の比を示し、値が大きいほどひび割れのリスクが低いことを意味します。

$$I_{cr}(t) = \frac{f_{tk}(t)}{\sigma_t(t)} \geq \gamma_{cr}$$
   

  • \({f_{tk}(t)}\):材齢 t 日におけるコンクリートの引張強度
  • \(\sigma_t(t)\):同時点での最大主引張応力度
  • \(\gamma_{cr}\):ひび割れ発生確率に関する安全係数

 

2023年版コンクリート標準示方書【設計編】の新しい考え方

  • 新しい設計指針では、確率論的なアプローチが導入され、以下のパラメータを用いてひび割れ発生確率を評価します:


:目標とするひび割れ発生確率に対応する標準正規分布のZ値
:引張強度の変動係数
:引張応力の変動係数

  • コンクリート標準示方書【設計編】に安全係数\(\gamma_{cr}\)とひび割れ発生確率の関係図と一般的な構造物におけるひび割れ発生確率と安全係数\(\gamma_{cr}\)の表が示されています

2023年制定 土木学会 コンクリート標準示方書【設計編】331p

🧪 温度ひび割れ対策の予備検討

重要構造物では、事前に温度解析を行い、対策の必要性や効果を評価することがあります。

たとえば、橋台の温度解析では、パイプクーリングの効果を表面温度やひび割れ指数で定量的に評価することが可能です。

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