プレストレストコンクリートとは?
コンクリートは圧縮力には強い一方で、引張力には弱いという性質があります。この弱点を補うために、あらかじめコンクリートに圧縮応力(プレストレス)を加えることで、引張力に対する耐性を高める技術が「プレストレストコンクリート(PC)」です。
高強度のPC鋼材を使って、荷重によって生じる引張応力を打ち消すように応力を与えることで、構造物の耐久性や性能を向上させます。プレストレスの導入方法には、プレテンション方式,ポストテンション方式の2種類があります。
プレストレストコンクリートの特徴
- 引張力に強い
曲げやせん断を受ける部材(例:梁)に適しており、引張力を効果的に減少させます。 - ひび割れの抑制
ひび割れの発生を防ぎ、場合によっては無ひび断面の設計も可能です。 - 断面の有効活用
引張側も含めた全断面を活用できるため、部材を小型化したり、軽量化によって長スパン構造が可能になります。 - 復元性が高い
弾性領域が広く、荷重を除いた後の変形が少ないため、元の形状に戻りやすいです。 - 耐久性・水密性の向上
高強度コンクリートの使用により、耐久性や水密性が高まります。

プレストレス導入方式(プレテンション方式とポストテンション方式の違い)
① プレテンション方式
- PC鋼材とコンクリートの付着によってプレストレスを導入。
- 同一形状の部材を大量生産するのに適しており、主に工場で製造されます。
- 品質管理がしやすく、小型部材に向いています。
- 鋼材は直線配置が基本ですが、曲線配置の方が力学的に合理的なため、大型部材には不向きです。
② ポストテンション方式
- 定着装置を使って機械的にプレストレスを導入。
- 鋼材の曲線配置が容易で、大型部材や現場施工にも対応可能。
- プレキャスト部材の接合や円形構造(例:PCタンク)への応用も可能。
- アンボンド部材(鋼材がコンクリートに付着しない)では、再緊張などの管理がしやすいです。
プレストレスの損失要因
導入されたプレストレスは、以下の要因によって時間とともに減少します。これらを考慮した設計が重要です。
緊張作業中・直後の損失
- ①コンクリートの弾性変形
- ②PC鋼材とシースとの摩擦
経時的損失
- ①PC鋼材のリラクセーション(応力の自然減少)
- ②コンクリートのクリープ(長期的な変形)
- ③コンクリートの収縮
注意点:設計時には損失を見越してプレストレス量を調整する必要があります。
✅ 学習のポイントまとめ
- プレストレストコンクリートは、引張力に弱いコンクリートの欠点を補う技術。
- プレテンション方式は工場生産向き、小型部材に適する。
- ポストテンション方式は現場施工向き、大型部材や曲線配置に適する。
- プレストレスは時間とともに損失するため、設計時に考慮が必要。
- ひび割れ防止や断面の有効活用など、構造設計上のメリットが多い。
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