13-5 高流動コンクリート

【第Ⅰ部】コンクリート技士・主任技士
💡【試験対策】この分野は「得点差がつく重要テーマです」

コンクリート技士・主任技士試験では、
・頻出項目
・ひっかけ問題
・暗記精度
で得点差がつきます。

▶ 実際によくあるパターン
・理解しているのに解けない
・本番で数値を間違える
・復習が追いつかない

▶ 短時間で得点力に変えたい方へ
暗記カード+穴埋め問題で
“試験で解ける状態”まで整理できます

👉 コンクリート技士・主任技士ドリルはこちら
(マガジンなら今単品より約70%お得)

※直前期に取りこぼしやすい分野なので早めの対策がおすすめです

💧 高流動コンクリートとは

高流動コンクリートとは、材料分離を起こさずに高い流動性を保持し、振動締固めを行わなくても自重のみで型枠の隅々や鉄筋の間隙に「自己充填」できる特性を持ったコンクリートです。

自己充填性の実現方法(3タイプ)

高流動コンクリートは、流動性と材料分離抵抗性を両立させる方法によって、主に以下の3つのタイプに分類されます。

  1. 粉体系:セメントや高炉スラグ微粉末などの「粉体」を増量して分離抵抗性を確保するタイプ。
  2. 増粘剤系:増粘剤(材料分離低減剤)を添加して粘性を高め、分離抵抗性を確保するタイプ。
  3. 併用系:粉体の増量と増粘剤の添加を組み合わせて使用するタイプ。

📏 特徴と評価基準

  • スランプフロー:50~70cm程度
    JASS 5において、特記がない場合の目標値は「55cm、60cm、65cm」のいずれかとされています。
  • 自己充填性の評価(土木学会)
    コンクリート標準示方書では、構造物の形状・寸法・配筋の過密状況などに応じて「ランク1~3」で評価します(JSCE-F 511に基づく)。
  • 粗骨材の最大寸法
    JASS 5:25mm、20mm、15mm
    コンクリート標準示方書:20mmまたは25mmが標準

⚙️ 配合に関する基準(JASS 5)

JASS 5に基づく標準的な配合基準は以下の通りです。

項目基準値(特記なき場合)備考(品質確認と承認を得た場合)
目標空気量3.0~4.5%
水結合材比50%以下55%以下まで緩和可
単位水量175 kg/m³以下185 kg/m³以下まで緩和可
単位粗骨材かさ容積0.500 m³/m³以上※鉄筋間での閉塞を防ぐための適切な上限調整が必要


🌀 練混ぜに関する注意点

粉体量が多く高粘性であるため、練混ぜには大きな負荷がかかります。

  • ミキサの指定: 必ず「強制練ミキサ」を使用する。
  • 練混ぜ量:1回あたりの練混ぜ量は、ミキサ容量の 80~90% 程度に抑える。
  • 練混ぜ時間:通常のコンクリートより長く、90秒以上 を標準とする。

🚚 運搬・打込み・仕上げ

高流動コンクリートの打込みでは、土木学会(コンクリート標準示方書)と日本建築学会(JASS 5)で制限数値が異なるため、試験対策として表で整理しておくのがおすすめです。

■ 圧送および打込み時の制限比較

項目コンクリート標準示方書(土木)JASS 5(建築)
自由落下高さ5m 以下材料が分離しない範囲(数値明示なし)
水平流動距離広範囲:8m 以下
片押し:15m 以下
20m 以下
打込み時の禁止事項複数の柱を横断して打ち込まないこと
  • 圧送時の注意: 高粘性であるため、配管の管内圧力損失(圧送負荷)が通常のコンクリートより大きくなる傾向にあります。強力なポンプの選定が必要です。

🧱 その他の特徴と注意点

  • 側圧設計
    高い流動性を持ち、凝結も遅延する傾向があるため、型枠やせき板に作用する側圧は「液圧(フレッシュコンクリートが液体として及ぼす最大の圧力)」として設計する必要があります。
  • ブリーディングが少ない
    単位水量が少なく粉体量が多いため、ブリーディングがほとんど発生しません。
    これは長所でもありますが、表面が乾燥しやすく「プラスチック収縮ひび割れ」が発生しやすいため、仕上げ時に水分噴霧を行うなどの養生・工夫が必要です。

✅まとめ

高流動コンクリートは、振動締固めが不要で施工性・仕上がり性に優れる画期的な材料ですが、一方で材料の計量誤差が品質に直結しやすく、製造・施工管理において極めて高い精度が求められます。

適切な配合設計と施工計画により、その性能を最大限に活かすことが重要です。