🏗️【第Ⅱ部】コンクリート診断士とは?「作るプロ」から「守るプロ」への進化 

資格概要・eラーニング

はじめに:技術者としての「第2ステージ」へ

ようこそ、koneka1130.comの第Ⅱ部へ。
ここに辿り着いたあなたは、すでにコンクリート技士・主任技士の学習を終え、さらなる高みを目指そうとしている向上心の塊のような方か、あるいは実務の中で「劣化」という難問に直面している技術者でしょう。

建設業界では今、高度経済成長期に作られた構造物の老朽化が進み、「コンクリート診断士」の需要が爆発的に高まっています。
技士・主任技士が「作るプロ」なら、診断士は「守るプロ」。
この2つの視点を揃えることで、あなたの技術者としての市場価値は不動のものになります。

この記事では、第Ⅱ部のスタートとして、コンクリート診断士試験の「全体像」と「合格率の真実」、そして「独学で記述式を突破するための指針」を解説します。

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コンクリート診断士とはどんな資格?

役割は「コンクリートのドクター」

人間が病気になったら医者に行くように、コンクリートも経年劣化や環境作用(塩害や中性化など)で病気にかかります。
コンクリート診断士の役割は、まさに医師と同じです。

  • 診察(調査): ひび割れなどの症状から原因を特定する。
  • 処方(対策): 適切な治療(補修・補強)を提案する。

これが、単なる知識量だけでなく、論理的な「診断力」を問われる所以です。

技士・主任技士との決定的な違い

最大の違いは「視点(ミッション)」です。

資格名主な役割視点(ミッション)
コンクリート技士・主任技士製造・施工のプロ「いかに良い構造物を作るか」
(新築・生コン・施工管理)
コンクリート診断士維持管理のプロ「今ある構造物をどう延命させるか」
(調査・点検・補修設計)

試験の難易度と合格率の真実

合格率:概ね15%〜18%前後合格者数:例年 500名〜600名 程度

数字だけ見れば、コンクリート主任技士(約13%)と同等か、年によってはやや高く見えます。
しかし、数字に惑わされてはいけません。

診断士試験の受験者は、その多くが「すでにコンクリート技士や一級建築士などを持っているベテラン技術者」です。
基礎知識を持ったハイレベルな母集団の中での15%~18%なので、実質的な競争率は主任技士以上と言っても過言ではありません。

試験形式:まずは「足切り」を突破せよ

試験は以下の2部構成です。

  1. 四肢択一式問題(40問)
  2. 記述式問題(小論文)

【最重要:足切りシステム】

最終的な合否は総合評価ですが、まず択一式で基準点(概ね26〜28問程度)を超えないと、記述式は採点すらしてもらえません。

どんなに素晴らしい論文を書いても、マークシートで失敗すれば即不合格です。

最大の壁「記述式」も独学で攻略できるか?

多くの受験生が涙を飲むのが、4択の後に行われる「記述式試験(小論文)」です。
「独学では添削してもらえないから不利だ」と考える方もいますが、私はそうは思いません。

暗記ではなく「思考力」が問われる

診断士試験の記述式は、「中性化の化学式を書け」といった知識問題ではありません。
現場の写真やデータを与えられ、「ひび割れの原因を推定し、最適な調査方法と補修方法を論理的に述べよ」という実務的な問いが出ます。

必要なのは、以下の知識を総動員してストーリー(診断レポート)を組み立てる力です。

  • 材料や耐久性、施工の知識(技士の範囲)
  • 構造力学の知識
  • 非破壊検査の知識
  • 化学的知識

これらを統合する力は、誰かに添削されることよりも、「自分で考え、自分で調べる」プロセスでこそ養われます。
※材料の基礎知識に不安がある方は、今のうちに当サイトの『[👉6.コンクリート用材料]』などを復習しておきましょう。

合格に向けたロードマップ

コンクリート診断士試験は、例年7月に行われます。
(最新の日程は、日本コンクリート工学会の公式ページをご確認ください)

🔗 参考リンクコンクリート工学会公式ページ 「2026年度のコンクリート診断士講習eラーニングおよび試験のご案内」

学習スケジュールの目安

標準的な勉強時間は200時間〜300時間以上程度と言われています。
記述式対策(論文の練習)を含めると、約半年程度の準備期間を見るのが安全です。

  • 1月〜3月: 劣化メカニズムの理解、択一対策(過去問)
  • 4月〜6月: 記述式対策(論文作成)、弱点補強
  • 7月直前: 総仕上げ

当サイトの活用方法

koneka1130.comでは、【第Ⅱ部】として以下の診断士対策記事を順次アップしていきます。 まずは、診断士試験の基礎となる「劣化症状(変状)」の記事から順に読み進めてください。 「作る技術」から「守る技術」へ。新しい視点を手に入れましょう!


📚 コンクリート診断士対策 記事一覧(予定)

【変状・劣化メカニズム】

【調査・試験方法】

  • 診断士-07:鉄筋探査の非破壊検査|「電磁波レーダ法」と「電磁誘導法」の決定的な違い
  • 診断士-08:反発度法(シュミットハンマー)と自然電位法|強度の「推定」と腐食の「確率」
  • 診断士-09:微破壊試験と化学分析|コア採取・中性化深さ・塩化物イオン量測定

【補修・補強・試験対策】

  • 診断士-10:補修工法の選定フロー|注入・充填・断面修復・表面被覆の使い分け
  • 診断士-11:補強工法の種類と特徴|炭素繊維シート vs 鋼板接着のメリット・デメリット
  • 診断士-12:記述式試験の攻略法①|合格する論文の「型」と「構成テンプレート」
  • 診断士-13:記述式試験の攻略法②|『記述式問題A(技術記述)』の模範解答例
  • 診断士-14:記述式試験の攻略法③|「記述式問題B」はトレードオフと倫理観で解く
  • 診断士-15:試験に出る最新技術トレンド|ドローン・AI・表面含浸材の違い
  • 診断士-16:試験当日の心構えと直前チェックリスト|合格を掴むラスト1週間の過ごし方

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